出産直後のママと新生児を24時間体制でケアする月子中心
先日、中国で子供が生まれました!そして、いきなり話を半年前に戻します(笑)。
妊娠中期となった妻がいきなり「月子中心を見に行く!」と言い出しました。
「月子中心?」こちらは初めて聞く言葉です。うしろの「中心」は文字通りセンター
という意味で、「月子」とは「産後のひと月」のことだそうです。つまり
「月子中心」は「産後のひと月センター」ということになります。簡単に言うと
出産直後のママと生まれたばかりの赤ちゃんが入るホテルです。ちなみに
「月子中心」は「ユエズジョンシン」と読みます。
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月子中心は中国では当たり前の存在
初産の妻が当然のように見学に行くことから分かるように月子中心は中国では
当たり前の存在です。深センの地図で調べると30件ぐらい月子中心がヒットしました。
30件もある!と思われた人もいるかもしれませんが、深センは人口1000万人ですから
それで30件は少ないですね。でも実際はもっとあります。はっきり言って
数え切れないぐらいあります。月子中心は下の写真のような1つの建物全てが月子中心と
なっているタイプもあれば、マンションの一部の部屋を改装して月子中心にしている
タイプもあります。つまり数百人が一気に入れる規模もあれば数人のみという規模も
あります。なので地図上に見えない月子中心が深センには何百、もしかするともっと
あるかもしれません。中国人は月子(産後のひと月)はママと赤ちゃんは部屋にこもって
過ごすという習慣があります。元々は自宅や実家で家族にサポートしながら過ごして
いたのでしょうが、中国も核家族化が徐々に進み家では月子期間のサポートが
できない人が増えてきて月子中心もそれに合わせて増えてきています。
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24時間至れり尽くせりのケア!
月子中心の具体的なサービスは主に以下のようなものがあります。
- ママと赤ちゃん専用の個室
- ケアスタッフによる24時間サポート
- 赤ちゃんの入浴サービス
- ママのための産褥期専用回復食
そのほかにも
- 小児科医、産婦人科医による出張診療
- 沐浴
- 臍帯の消毒
- 出産病院-月子中心の無料送迎
- ママの体型修復施術
- ヨガ教室
- 家族宿泊サービス
- おむつや粉ミルクなど必要品提供(別料金)
なんかがあります。これ以外でうちが月子中心を利用して良かったと思ったサービスが
出産病院での48時間出張ケアです。
中国では一般的に出産後1,2日しか出産病院に入院しません。しかも看護婦さんは
基本的にママも赤ちゃんも治療以外は何もしてくれません。授乳やおむつ交換、
泣いた時のあやしなど全てママ本人か家族がやる必要があります。そこで月子中心が
行っているサービスが48時間出張サービスです。退院して月子中心に入るまでに専任の
ケア要員を入院病院に派遣して上記のお世話をしてくれます。初出産で右も左も
分からない妻も私も大変助けられました。このように月子中心は出産後のママにも
家族にも大変心強い存在です。
気になるお値段は?
べた褒めしている月子中心ですが、やはり気になるのはお値段ですね。いくらぐらい
なのかというと、はっきり言ってピンキリです。私たちが調べた時は
2万元(約30万円)/月から8万元(約120万円)/月
ぐらいまでありました。値段で何が違うのかというと部屋のグレードが違います。
私たちが利用した月子中心はざっくりいうと3万元だと3星ホテル、8万元だと5星ホテル
ぐらいのグレードの部屋でした。あとは価格により上記ヨガ教室の利用回数や
食事内容が違ったりします。普通の中国人の収入からすると結構高めですが、子供を
非常に大事にしますし、ママもこの月子期間の療養が更年期にまで影響すると
信じられているのでこの金額でも人気の月子中心は6ヶ月前でも予約一杯というところも
ありました。都会に行くとさらに高級なところもあるようです。期間ですが、月子が
もともと「産後ひと月」という意味ですので、普通は1ヶ月30日契約となっています。
ただし、延長も可能です(もちろん追加料金必要ですが)。妻の隣の部屋のママは
延長2回で3ヶ月過ごしている強者!でした。
月子中心を選ぶポイントは?
では数多くあり、値段もピンキリの月子中心をどうやって選べばいいのでしょうか?
私たちも家の近所を中心に何件も月子中心を見に行きました。その中で選ぶポイントは
以下でした。
実績は十分か?
やはり一番重要なのは24時間ケアしてくれるスタッフの質です。ではどうやって質を
見分ければ良いのかというと実際にその施設を使用していたサービス利用者に聞くのが
一番です。知り合いがいなくても今はネットで調べれば利用者が感想を言っていたり
します。また、やはり出来たてのところよりも20年の実績有り!という方が信頼を
置けます。
場所は問題無いか?
立地が静かでママと赤ちゃんが落ち着いて過ごせるかが重要です。街の
中心街なんかにあると車のクラクションが鳴ったり大音響でダンスするおばさん集団が
いたりしてママも赤ちゃんも安心して寝られません。一方、家から遠すぎると家族が
毎回月子中心に行くのに不便です。私たちはそこそこ家から近くて落ち着いた場所に
あるところを選びました。
最後は施設
上の2つが満足できてまだ迷うようなら最後は施設の清潔さ、便利さで選ぶと良いと
思います。清潔さは当然ですね。便利さに関して言えば出来れば1フロアに必要なものが
全て揃っている方が便利です。私たちが見に行った月子中心の1つは5階立てで、
エレベーターも1基しか無かったので部屋と入浴エリアや公共エリアが違う階で、
エレベータ待ちが長くてイライラしました。
ほかにも施設や設備が狭すぎ、少なすぎると他のママや赤ちゃんと利用するサービスが
バッティングしてストレスがたまるので避けたいところです。
まとめ
最初は言葉の意味も分からなかった月子中心ですが、退所する時は感謝で
一杯でした。外国人の役立たずの夫(私)でも妻も赤ちゃんも1ヶ月間健康で快適に
過ごせました。特に出産後の1週間は妻の体調もすぐれなかったでのケアスタッフの
方々の親身な接し方に妻も大いに助けられていました。日頃中国式の接客に
うんざりしている日本人の私から見ても素晴らしい接客でした。少子化が進んでいる
日本でも月子中心のようなケアスタイルがリーズナブルに利用できるようになれば
いいですね!
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