大湾区構想で中国のマンション高騰確実！？

既にコロナウイルス不況から脱出！？

３日付の香港紙、信報（Ａ６面）などによると、中国不動産大手の中国恒大集団

（広東省深セン市）がこのほど発表した５月の不動産販売額（契約ベース）は、

前年同月比１２．５％増の６０２億２０００万元（約９２００億円）だった。

販売面積は同２８．０％増の６３６万７０００平方メートル。

新型コロナウイルスの影響は続いているが、国内の住宅販売は回復基調にある。

　１～５月累計は販売額が前年同期比１７．８％増の２７２８億元、販売面積は

同３９．６％増の３００７万９０００平方メートルだった。

　同業大手、万科企業（ 広東省深セン市） の５月の不動産販売額は、

前年同月比５．７％増の６１２億８０００万元。販売面積は同５．７％増の

３８６万８０００平方メートルだった。１～５月累計は販売額が７．７％増の

２４７１億１０００万元だった一方、販売面積は５．１％減の

１５７５万５０００平方メートルだった。（香港時事）

　中国では5月は前年同月比プラスになっています。しかし、これは中国全体ではなく、

上海や深センなどのいわゆる沿岸部のみです。とくに広東省は大湾区構想で

マンション建設ラッシュになっています。

「ん？大湾区って何なの？」と思う方もいると思います。最近中国、特に広東省で

毎日のようにニュースに上がっている言葉です。概要は以下です。

大湾区とは、粤港澳大湾区（えつこうおうだいわんく）の略称で、香港、マカオ

2つの特別行政区、広東省9都市の、合計11都市を包括するベイエリアを指します。

「大湾区計画」とは、2022年までに世界的ベイエリアの基礎形成、2035年までに

完成を目指すという中国政府が正式に発表した発展計画です。

日経BizGate:https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO4505653021052019000000/

　香港、マカオ、広東省の9都市の合計11都市から成る大規模なベイエリア

構想なのですが、中心となるのは香港、マカオ、広州、深センでそれぞれが役割を

担っています。

• 香港・・・国際金融、貿易、物流、高度サービス業
• マカオ・・観光、レジャー
• 広州・・・文化、教育、交通の中核
• 深セン・・研究開発、イノベーションセンター

新幹線がマンションラッシュの起爆剤！

　大湾区の構想についてはまた別の投稿で纏める予定ですが、これとマンションが

何の関係があるかというと上記4都市を含めた11都市を一体として発展させていくと

言うことがポイントです。日本人の感覚で言うと隣同市の市で連携するのかな

ぐらいかもしれません。しかし中国で「市」というのは日本の「県」に近い規模です。

土地勘が無いとイメージしにくいかもしれませんが、大湾区の端っこの都市の肇慶市と

香港では300km弱離れています。これは日本で言うと東京から浜松或いは東京から

福島までの距離です。この広さエリアが一体として経済発展するにはどうすれば

良いかとなるとまずは交通インフラを整えて人の往来をさせなければなりません。

高速道路はそれなりに通っていますが、車も爆発的に増えており深センや広州では

慢性的に渋滞が発生しています。そもそも300kmも離れているので、100kmで走っても

3時間かかるところを1つのエリアとするのは無理があります。そこで急ピッチで

進められているのが鉄道網です。広州、深センエリアから新幹線や都市間高速鉄道で

各都市を繋ぎ、各都市内には地下鉄を張り巡らせて人の往来を活性化させようと

しています。鉄道整備されると深セン、広州に住んでいた人も地元にマンションを

買って新幹線で通勤したり、都会では安いところに賃貸で住んで地元にマンションを

買うという選択をする人が増えてきて上記4都市以外の大湾区内のマンション販売は

活況となってきています。また、香港人は最近の騒動をあり、国外に脱出している

人もいるようですが、一部の人は広東省にマンションを買ってリスク分散する人も

いるようです。香港人の富豪は桁違いでマンション発売当日に10部屋、20部屋

まとめ買い！なんて人もいるようです。

中国不動産バブル到来か？

　日本人だと不動産が活況でマンション売れまくりなんて聞くと「バブルだ！」と

思いますよね？中国人はどう考えているかというと、庶民は

「は？マンション価格が下がるわけないでしょ？金持ってるなら買わないと損！」

という感じで完全にバブルの時の日本人ですw。ではやはり日本と同じように

崩壊するのか？というとそれは分かりません。庶民は分かっていませんが、政府中央は

日本のバブル崩壊も徹底的に研究して何とか崩壊させず、経済も失速させずという

難しい舵取りをしています。今のところバブルがはじける気配はありませんが、

バブル崩壊は生活に大きな影響がありますので、コロナという不確定要素が

今後どのように影響するのか注意しながら生活していきます。